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【必須50項目】日本語教師の養成における教育内容とは?

日本語教師養成の必須の50項目

日本語教師の養成における教育内容(以下「必須50項目」)とは、2019年3月に文化庁から発表された「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)改定版」に記載されている、日本語教師養成課程において必ず実施すべき、50項目の教育内容のことを指します。

日本語教師の国家資格「登録日本語教員」の資格取得においても、修了した養成課程がこの「必須50項目」に対応しているかどうかで、通れるルートやクリアが必要な課題が変わってきます。

この記事では、この「必須50項目」について簡単に解説します。

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この記事を読んだら分かること

・必須50項目って何?
・必須50項目に対応していると何が変わる?
・これから登録日本語教員を目指すなら?

必須50項目とは何か?

(文化庁ウェブサイトより引用)

必須50項目とは、上の図にも記載されているとおり、日本語教師の養成段階で(つまり日本語教師養成課程において)必ず指導することが求められる50個の教育内容です。

上の図の( )で示された50個の項目がこれに当たります。

必須50項目には、以下のような3つの領域と5つの区分、そして16個の下位区分があります。

■3領域… 「社会・文化」「言語」「教育」
■5区分… 「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」
■16下位区分… 「世界と日本」「言語と社会の関係」「言語習得・発達」「日本語の構造」など…

「領域」は3つありますが、それぞれに明確な線引きは敢えて行わず、段階的に緩やかな関係と捉えるとされています。
そのため、どの区分がどの領域に属するという考え方はありません。

また優先順位を設けず、いずれも等価と位置付けられています。

「区分」は上記の5つがあります。

さらに、この5つの区分の中には16個の下位区分があります。

必須50項目はこの5つの区分と16個の下位区分にそれぞれ振り分けられています。

16区分については全てが記載された図は記載されている内容がかなり多いので、詳しく知りたい方はこちらの資料のP43をご覧ください。

例えば

(4)~(7)は「社会・文化・地域」の中の「③日本語教育の歴史と現状」
(14)(15)は「言語と心理」の中の「⑦言語理解の過程」
(46)~(50)は「言語」の中の「⑯コミュニケーション能力」

に分類されています。

当講座のような新しい日本語教師養成課程は、この50項目を踏襲しながらカリキュラムやスケジュールを組み立てています。

必須50項目に対応済の講座を受けるメリット

この必須50項目に対応済の養成課程を受講・修了すると、どのようなメリットがあるのか考えてみましょう。

なお、当校のような「登録日本語教員養成機関」や「登録実践研修機関」として文科省の登録を受けている講座は、全てこの必須50項目を踏襲しています。

以下は従来の日本語教師養成講座の受講をお考えの方、または既に修了された方向けの内容です。

①最新の日本語教育の基準で学べる!

必須50項目は、2023年までの日本語教師養成における最も新しい基準です。

したがって、この基準を満たしている日本語教師養成課程を受講することで、より新しい日本語教育事情に即した内容の授業が受けられます。

例えば、(35)(36)は授業へのIT機器・オンラインツールの活用や、オンライン授業などを含めた内容になっており、この必須50項目から必須の教育内容に加えられたものです。

②登録日本語教員への近道が開ける!

日本語教師の新しい国家資格「登録日本語教員」ですが、この必須50項目に対応した日本語教師養成課程を修了した場合(学士以上の学位必須)、一定期間だけ認められる特別なルートで資格取得を目指すことができます。

通常は
・「登録日本語教員養成機関」の課程の修了、または日本語教員試験「基礎試験」の合格
・日本語教員試験「応用試験」の合格
・「登録実践研修機関」における実践研修の修了

この3つの課題のクリアが必要ですが、この必須50項目に対応済の課程を修了すれば、日本語教員試験の「応用試験」にさえ合格すれば、登録日本語教員の資格が取得できます。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

これから日本語教師を目指すならどうする?

これから日本語教師(登録日本語教員)を目指して日本語教師養成講座に通う場合、必ず正規の登録日本語教員養成機関の課程か、経過措置Cルート対象の現行課程を受講してください。

もちろん日本語教員試験を受けて一発合格する方法もありますが、独学で準備するにはかなり難易度の高い試験となっているので、養成課程の受講をお勧めします。